《MUMEI》 少し・・強くなったのかな?「ふぁ・・もう朝か。さてと・・今日は、洞窟でも行って・・お金稼がないと!」 気合を入れると、身支度を整え、回復アイテムなどの冒険の必需品を確認する。リースから貰った腕輪のお陰で、荷物らしい荷物が無いので逆に心細かったりするがその内慣れるだろうと納得し、食堂へ降りていく。 「おう、朝食しばらく待ってろよ〜」 カウンターでタバコを吹かしている店主に挨拶し、席に付く。 何故にこんな所に?と思う人物が視界に入った。向こうもこちらに気がついたようでこちらに歩いて来る。 「おはよう、式夜。」 「・・・・主人がこれを貴方に渡すようにと。」 そう言うと袋包みをこちらに渡す。 「中身・・何?」 受け取りながら聞き返す。 「「初心者冒険セット!これで貴方も冒険者」・・だそうだ。」 呆れた表情を浮かべながら、小声で答える式夜。 「・・・・やっぱり不思議なヒトだ。」 「・・・否定はしません。」 二人で同時にため息をつく。 「それでは、私はこれで。何処かに出かけるようだが、自分のレベルを過信しないように。」 「油断は死を招く。」 式夜と夕凪はそう言うと宿を出て行った。 (相変わらず手厳しい・・) 苦笑しながら受け取った袋を開けてみる。 中には傷薬、解毒剤、地図、箱が入っていた。 (なんだろ?) 箱を開けると中には5本の筒とメモが2つ入っていた。 「炸薬筒。使い方は簡単、一番上に付いてる紐を引いて敵に向かってポイッて投げればOK!当たった衝撃でドカン!と爆発するよ。 紐引いた後、落としたりしても爆発するから注意。後、威力が高いから・・・5メートルは離れて使うこと!byエミ」 「これの扱いは十分注意してね。お詫びも兼ねて渡してほしいって頼まれてね。ま、好きなように使ってよ。それじゃ、頑張ってね。by彩詩」 二つのメモに眼を通していると店主が食事を運んできた。 「ほぃお待たせ。」 「いただきます。」 やっぱり量が多いなぁ〜と思いながらも、ほとんど食べきってしまう。 「ほら見ろ、やっぱこれぐらいは食べないとな。」 店主は嬉しそうに笑いながら皿を下げて行った。 「ご馳走様でした。」 食事を終え、周囲を見回す。ジェイドにハンディングの作品について色々と聞きたい事もあったが、宿には居ないようなので街へ出る。 天気は今日も快晴。街には多くの人達が歩き回っていて活気に満ちている。 「さてと・・セルト洞窟に行くとするか。」 琴達と行った洞窟へ向かうことに決める。 もっともそこ以外の狩場を知らないといった理由もあるのだが。 街の外に出てそのまま北上、しばらく歩くと目的の洞窟に辿り着く。自分が道を覚えていたことに満足気に頷き、いざ洞窟の中へ。 (ゴブリンなら楽勝だ。少しは強くなったってことかな。) 洞窟に来るまでに幾度かゴブリンと遭遇したが、傷一つ負うことなく倒した。油断していたのだろう。モンスターが出現したことに気がつくのが遅れた。 前へ |次へ |
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