《MUMEI》
入学式3
楓校長は挨拶を終えると、足早に外に向かった


…外に向かった?


首を傾げている間に、楓校長は俺の視界から消えた


そして、聞こえてきたのは、バイクのエンジン音


まさか


すぐに小さくなっていくその音


<校長先生は、八坂モーターの新型バイク試運転の為に退席されました>


成瀬先輩はそう説明し、皆納得してたけど


違うだろ!ゼッテー!


あの人ゼッテー誠治さん追っかけてったって!


このタイミングで、校長以外の仕事するような人じゃねーだろ、楓校長は!


<それでは続いて、教頭先生御挨拶お願い致します>


俺の気持ちをスルーして、入学式は進んでいった


教頭は、誠治さんや楓校長みたいな天然じゃなくて、無理矢理若作りしているのがバレバレな、多分三十路の女性で


かなり自己アピールが強く、生徒にこびているような作った甘い声を出していた


「「気持ち悪い」」


近くにいた鳳凰寺と相楽は嫌悪感むき出しだった


俺もあれは好きになれねーな


そんなわけで?


教頭の長い挨拶をろくに聞かなかったせいか、教頭の名前も記憶できなかった

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫