《MUMEI》

赤高のランパスに、


会場は一層盛り上がっていた。



ザワ…


「速いな。」


ザワ…


「そ・れ・な・りにね。」


ザワ…


「とらいえここまで盛り上がる程のもんでもないでしょ。


見た感じ両サイドのスピードは先輩たちの方が上だし。


確かにランパスは上手いけど、


ウチには通用しないっすよ。」


ザワ…


「ま〜な。
西条にこれは止められない。」


ザワ…


「市原500円よこせよ。」


ザワ…


「まだ終わってないっす!!」


























ザワ…


「…調子良さそうだな。」


ザワ…


「ディフェンスが上手く機能してる。


あれなら村木もだいぶ楽になるな。


今日は余裕そうだ。」



























前半2分20秒を過ぎ、


スコアは2対0。


西条が時間をかけて攻めている分まだ大きく点差は離れていないが、


内容的には赤高が押している。


会場中に赤高勝利の雰囲気が見えていた。













しかし、


さり気なく見える陰りがあったことに、


この時点ではまだ誰も気付くことができなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫