《MUMEI》

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ダークグレーとブラックのストライプ柄のポロシャツ。履き古したような落ち着いたインディゴブルーのデニム。キャメル色の革製の紐靴。頭には、柔らかいグレーのキャスケット。


私服姿の彼は、学校で見たときよりも、少しおとなびて見えた。なんとなく、気恥ずかしい感じがする。


彼はわたしに歩み寄りながら、待った?と朗らかに尋ねてくる。わたしは首を横に振った。

仲元くんは、わたしの姿をじっと見つめてきた。わたしが、眉をひそめて、なに?と尋ねると、彼は照れたように笑う。


「私服だと、雰囲気違うね」


「…それって、悪いイミで?」


「違うよ、『大人っぽいなー』って思ったの!」


仲元くんは屈託なく、そう言った。

わたしも、お互いさま、と笑う。


和やかなムードになり、わたしたちはどちらからともなく歩き出した。


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