《MUMEI》
『オトモダチ』デート
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人混みをすり抜けながら、仲元くんはわたしの顔を覗き込んで言う。


「今日、すっぽかされるかと思った」


その台詞に、わたしはキョトンとした。
数回瞬いて首を傾げる。


「だって、約束したでしょ?」


当然のようにそう答えると、彼はわたしから目を離して、自分の鼻を人差し指でなでる。


「いやー…あれは、俺が強引に取り付けた話だったし。もしかしたら来てくれないかもって、ちょー不安でー」


わたしは、あー…と曖昧に声を出しながら、頷く。



………まぁ、

半分、ホカそうとか、思ってたけどね。



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