《MUMEI》 「そ…速攻まで外しちゃうなんて…」 ザワ… 「ヤマト?」 ザワ… 「あ?」 ザワ… 「何でクロは何の指示も出さないんだろ?」 ザワ… 「…さぁ? あいつの考えてることは俺にもわかんね。」 ザワ… 「嘘つけよ。 以心伝心してるくせに。」 ザワ… 「ガチホモみたいに言うな。」 ザワ… 「何してんだよクロ… 原因は明らかだろうが…」 … 「ビーッ!!」 前半終了のブザーが鳴る。 11対8。 赤高は3点のリードを守り切るが、 決して上出来と呼べるゲーム展開ではなかった。 … ハーフタイム。 西条ベンチ。 「皆座って。」 「はぁ…はぁ…」 「疲れてるみたいね。 水分いっぱい取りなさい。」 「はぁ…はぁ…」 「いい流れが来てるわ。 後半このまま一気に逆転しに行きなさい。」 「はぁ…はぁ…はい…」 「あのコーチのことだから後半絶体何か仕掛けてくる。 後手に回ってたらやられる。 異変を感じたら臨機応変に対応してって。」 「…うす。」 3点差。 それは追い掛ける立場である西条にとって、 まだまだ射程圏内。 負けている西条だが、 ベンチの雰囲気は悪くなかった。 前へ |次へ |
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