《MUMEI》

「実力はお前らの方が上だろうね。


シュート力、


スピード、


スタミナ、


どれを取ってもお前らが上だよ。」



「…」



それは選手たちも感じていた。


だからこそ、


この試合展開を納得できずにいたのだ。



「不思議だろうね。
30分ゲームとはいえ海南に勝った自分たちが西条にてこずってるんだもん。」



「…」



「何で西条にこんな競ってんのか。


お前らは不思議に感じるかもしれないけど、


答えはいたってシンプル。


それは…」



ゴクッ…













「お前らが西条の実力に合わせてるからだよ。」













「え…」



自分たちはいたって全力。


選手たちはそう考えていた。


しかし、


それは慢り。


自信を越えた過信であった。



「気付かないだろ〜ね。


でもね?


それはお前らぐらいになるとよくある話。


僕にも経験あるしね。」

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