《MUMEI》 . 仲元くんは、キョロキョロと周りを見回しながら、 「今日、混んでるねー」 なんかイベントでもあるのかな、とひとりごちる。 確かに、ひとは多い。道を歩くのが、やっとなほどだ。 そして、やっぱり、若い女の子が多い気がする…。 そんなふうにぼんやりとしていたわたしの手を、仲元くんは、さりげなく握ってきたので、ビックリして顔を向けると、 彼は、笑っていた。 「ぼんやりしないで、はぐれるよ」 柔らかな彼の手の温もりと、朗らかな彼の声を聞き、わたしは少し戸惑った。 仲元くんは気にせず、わたしの手を引いたまま、賑わう街の中を歩いた。 ****** 前へ |次へ |
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