《MUMEI》
夢見がち
.

「なに?どーしたの??」


面白いのあった?と、声をかけながら、背後からわたしの手を覗き込む。白いトイカメラを見つけて、へぇ!と感心したような声をあげた。


「カメラ、すきなの?」


尋ねられて、わたしは黙り込んだ。


−−−あの日、フォトスタジオで、

プロのカメラマンの仕事ぶりを目の当たりにして、

わたしの心は、激しく揺さぶられた。



………素直に、すごいと思った。



少し、間を置いて、

わたしは仲元くんを見つめたまま、瞬く。


「興味、あるんだよね」


すんなりと、そんな台詞が口から出てきた。


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