《MUMEI》 . ………なんとなく気づいてたけど、 仲元くんって、かなり強引。 ひとの話、あんまり聞かないし、 自分が思うように物事をすすめて、 なんか、 ほっとけなくて、気が気じゃない…。 そこまで考えて、わたしはハッとした。 記憶の彼方から、ひとつの顔が蘇ってくる。 −−−それは、シニカルに唇を歪めて笑う、 『あのひと』の顔。 『あのひと』は、いつも自分勝手で、 強引で、わがままで、 傍にいたわたしのことなんか、全然思いやってなんかくれなかった。 ………もしかしたら、仲元くんは、 『あのひと』に、似てる? だからわたしは、 冷たく突き放すことが、出来ないの? 自分に問い掛けながら、わたしはただぼんやりと、レジカウンターにたたずむ仲元くんの後ろ姿を見つめていた。 ****** 前へ |次へ |
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