《MUMEI》
エヴァードの過去*SIDE*龍翼-4th
-
「喋れるのか」
俺はフェニックスに言った
〈何か問題でも?〉
「いや…」
〈シャロン〉
フェニックスの眼が
俺の眼を射止めた
〈私は今からシャロンだ。今後とも、宜しく〉
シャロンは頭を垂れた
「こちらこそ」
ジンは微笑んだ
…順応性も高いよな…ジン
〈私はこれまで〉
シャロンはベッドのシーツに降り立った
〈旅立った全てのエヴァードとドレイスたちを見てきた〉
「…ああ」
ジンが頷く
〈結果は、現状だ〉
シャロンは残念そうにジンを見た
〈君達こそ、未来を切り開く者であることを…祈る〉
「わかってる」
ジンは深く頷き
〈…君達は〉
「?」
〈フルアの創った白の空間に居たとき、
何かを感じたり、思い出したり、心に変化は無かったか?〉
「「あった」」
俺とジンが同時に即答
顔を見合わせる
…ジンもあったのか。
俺の場合は
ジンに対する
妙に《××××》っていう衝動
十年も一緒にいるから、
手を繋ぐ機会なんか数え切れないくらいあった
でもあの空間で、
ジンを見たら
手を引いたら
引かれたら
なんか、変わった気がするんだ
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫