《MUMEI》 お互いのこと. 買い物を済ませたあと、わたしたちはようやくお昼を食べることになった。 近くにあったファストフードでテキトーに頼んで、オーダーしたセットを空いている席に運ぶ。 建物の2階にある禁煙席に座ると、まず最初に仲元くんは、カメラが入った紙袋をわたしに差し出した。 「良い写真、たくさん撮ってね」 現像したら一番に見せてよ、と朗らかに笑った。 わたしは躊躇ったが、今さらここで断るのも気がひけて、素直に紙袋を受け取る。 「…ありがとう」 申し訳なさそうに言ったわたしに、仲元くんはとくに気にした様子もなく、どういたしまして、と答えた。 それからようやく、わたしたちは食事を始めた。 ハンバーガーにかぶりつきながら、仲元くんは言う。 「そういや、ちゃんと自己紹介とかしてなかったよね?」 そういえば、そうだった。 . 前へ |次へ |
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