《MUMEI》

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なんだかんだで、お互い、名前くらいしか知らない。

そう思うと、なんだかおかしくて、わたしはプッ!と吹き出して、そうだよね〜、と笑う。


「順序、飛ばしすぎ」


わたしの台詞に、仲元くんは、ホントだ、と同じように笑った。

ひとしきり笑ったあと、尋ねた。


「仲元くんて、バスケ部なんだって?」


わたしの問い掛けに彼は頷く。


「そう。弱小バスケ部の副キャプテン。インハイも関係ナイから、日曜も部活は休み」


自慢にもならないね、と笑い、それから首を傾げた。


「もしかして俺のこと、知ってたの?」


嬉しそうな顔をされたので、わたしは慌てた。都合良く勘違いされては困るのだ。


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