《MUMEI》

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そんな感じで一息つくと、仲元くんは、またわたしの顔を見遣った。


「このあと、どーしようか?」


行きたいところある?と、続けざまに尋ねられ、わたしは黙り込む。

わたしは、ゲリラライブのことで疲れてしまっていて、

このあと、さらにデートを続行するのが、正直、面倒だった。

今日はこのへんでお開きにしよう、と、

わたしが提案しようとした、


−−−そのときだった。


「なんだ、あのひとだかりッ!?」


すぐ近くであがった、

男の声。


ギクリとした。
身体が、強張る。


なぜなら、

その声が、

遠い昔に聞いた、『あのひと』の抑揚と、とてもよく似ていたから。


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