《MUMEI》 . そんな感じで一息つくと、仲元くんは、またわたしの顔を見遣った。 「このあと、どーしようか?」 行きたいところある?と、続けざまに尋ねられ、わたしは黙り込む。 わたしは、ゲリラライブのことで疲れてしまっていて、 このあと、さらにデートを続行するのが、正直、面倒だった。 今日はこのへんでお開きにしよう、と、 わたしが提案しようとした、 −−−そのときだった。 「なんだ、あのひとだかりッ!?」 すぐ近くであがった、 男の声。 ギクリとした。 身体が、強張る。 なぜなら、 その声が、 遠い昔に聞いた、『あのひと』の抑揚と、とてもよく似ていたから。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |