《MUMEI》

「ナイッシューッ!!!」



久保が7メートルを決める。



14対9。



再び点差は5点。


赤高1年軍。


彼らもまた数ヶ月クロの練習に付いて来た選手たち。


まだまだ技術は伴わないが後の大成を匂わせる試合展開を見せていた。



























「やるな…」



「そうだよ。


あいつらはスタメンじゃない分お前たちより欲がでかい。


最初の入部の動機はどうあれかなり頑張ってたもん。」



「…」



「僕が思うにあいつらと西条のレベルは大差ないね。


や、むしろ劣ってるんじゃないかな?


でも今こういう試合展開を見せてるのはさ、


やっぱ気持ちが強いから。


お前らの負担を減らす為に必死。


初戦だからって手抜いてたお前たちとは違う。」



「…すいませんでした。」



「うん。


少しは反省したかな?


んじゃ、


頃合いを見てタイムアウトかけるから。


そしたらまたお前ら行って来い。」



「…はい!!!!!!!」



「ただし、」



「?」



「相手に合わせようなんて考えるなよ?


今の相手の状況を考えて1番有効な手で攻める。


あと何分か、


もう少し1年生に頑張ってもらうから、


それまでお前らだけでどうするか考えとけ。」



「…うっすッ!!!!!!!」

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