《MUMEI》 「はぁ…はぁ…」 (くそッ…) 「はぁ…はぁ…」 (体が…付いていかない…) 「はぁ…はぁ…」 (呼吸が…整わない…) 「はぁ…はぁ…」 … ザワ… 「これって…」 ザワ… 「圧倒的じゃん…」 ザワ… … 『立川くん、 この学校でやる気はないの?』 『ハンド? だって部活ね〜じゃん!!』 『作ればいいじゃん。』 … (よく…ここま) 「まだだッ!!」 (えっ…) 「まだ… まだ時間あるぞッ!!」 「はぁ…はぁ…おぅッ!!!!!」 よくここまで頑張ったね。 その言葉は、 コートでは使ってはいけない言葉。 その言葉は、 全てを終えたその時にだけ言えるんだ。 0からのスタートだったけど、 彼らにはまだ先がある。 素人ばっかりのチームだけど、 彼らには先がある。 同好会からのスタートだったけど、 部に昇格してからほんの数ヶ月だったけど、 彼らの努力に、 嘘はなかった。 … 1・2年生のみで構成される西条高校。 例えこの試合で負けても、 彼らには来年があった。 だがしかし、 1年前、 何もなかった体育館から、 掛け声が聞こえ始めた。 星野は、 彼らの成長を今改めて実感していた。 前へ |次へ |
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