《MUMEI》 キュキュッ!! 「椎名ッ!!」 「はいッ!!」 空いたスペースに切り込み、 シュートを狙う椎名。 「くっ…そッ!!!!」 まるで言うことの聞かない体を、 立川は無理矢理動かした。 「ピーッ!!!」 審判の笛が鳴る。 ディフェンスファール。 立川。 2つ目のファール。 赤高に7メートルが与えられ、 立川は2分間退場。 だが、 この時残り時間はすでに2分を切っていた。 つまりこの試合、 彼がコートに戻ることはない。 「はぁ…はぁ…」 「ヒロ?」 「すいませ…」 「いいプレーだった。」 「えっ…」 「強いね赤高…」 その言葉を聞いた瞬間、 立川の目から涙が溢れた。 「来年は…絶対…」 「うん…勝とう…」 「ビーッ!!!!!」 試合終了を告げるブザーが鳴った。 「ありがとうございましたッ!!」 「ありがとうございましたッ!!」 高総体。 第二回戦。 赤城北高校対西条高校。 最終スコア。 37対11。 赤高。 二回戦を突破。 前へ |次へ |
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