《MUMEI》

『花の作られた本来
の目的とは…優れた
能力を持つ人間の遺
伝子の存続です。』


『遺伝子の存続?』


『はい、例えば天才
等と呼ばれる人間が
長生きするとしても
精々、百年余り…。
そして、天才的な活
躍をしても精々40年
程でしょうか?
能力を持つ人間は、
簡単には生まれて来
ません。クローンを
造っても寿命は変わ
りません。
そこで、優れた人間
の遺伝子を半永久的
に生かせる器を作っ
たのです。』


『その器が、花?』

ショウの問い掛けに
頷くユウリ。


『先程、言った様に
花は主の精液を注ぎ
受けます。その精液
の中から優れた遺伝
子のみを採取し育み
ます』

『つまり、優れた人
間の遺伝子は花の中
で生き続け、融合し
花と共に永遠に才能
を伸ばして、この王
国の礎となっていく
のです。』


『花に、そんな目的
があるなんて…』

知らぬ事とは言え、
自分は夢視に大変な
者を預けたのではと
心配になった。

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