《MUMEI》

.

それでも、初めて武田先輩を見かけた日の、

あの、無邪気な笑顔が、ずっと頭を離れなくて、

日に日に、自分の想いは募っていった。


今、思えばそれは、子供っぽい恋心に過ぎなかったけれど、

あの頃のわたしには、『初めての恋』で、

周りが見えなくなるほどに、

一生懸命だったのかもしれない。



−−−好きです。



夏休みに入るまえに、

わたしから、先輩に告った。


先輩は、相当遊んでるって聞いていたから、玉砕覚悟で臨んだのだけれど、



−−−それじゃ、付き合っとく?



先輩の返事は、意外にも『YES』で、

バカみたいにはしゃいでいたのを、今でもはっきり覚えている。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫