《MUMEI》 . それでも、初めて武田先輩を見かけた日の、 あの、無邪気な笑顔が、ずっと頭を離れなくて、 日に日に、自分の想いは募っていった。 今、思えばそれは、子供っぽい恋心に過ぎなかったけれど、 あの頃のわたしには、『初めての恋』で、 周りが見えなくなるほどに、 一生懸命だったのかもしれない。 −−−好きです。 夏休みに入るまえに、 わたしから、先輩に告った。 先輩は、相当遊んでるって聞いていたから、玉砕覚悟で臨んだのだけれど、 −−−それじゃ、付き合っとく? 先輩の返事は、意外にも『YES』で、 バカみたいにはしゃいでいたのを、今でもはっきり覚えている。 . 前へ |次へ |
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