《MUMEI》

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じきに夏休みになり、

わたしと付き合ってからも、

先輩は変わらず乱暴者で、いっつもガラの悪い友達と一緒につるんでいて、

夜遅くまで繁華街をうろついては、やんちゃばかりしていたけれど、


それでも、不思議とキライになれなかった。


『惚れた弱み』ってヤツなのだろう。


わたしは武田先輩のあとを追いて回り、どんなときも、彼の一番近くにいた。



………ずっと一緒にいたい。

離れたくない。



そんな、幼すぎるわたしの淡い想いが、粉々に壊れたのは、


夏休みも終わりに近づいた、ある日のことだった−−−。





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