《MUMEI》 . じきに夏休みになり、 わたしと付き合ってからも、 先輩は変わらず乱暴者で、いっつもガラの悪い友達と一緒につるんでいて、 夜遅くまで繁華街をうろついては、やんちゃばかりしていたけれど、 それでも、不思議とキライになれなかった。 『惚れた弱み』ってヤツなのだろう。 わたしは武田先輩のあとを追いて回り、どんなときも、彼の一番近くにいた。 ………ずっと一緒にいたい。 離れたくない。 そんな、幼すぎるわたしの淡い想いが、粉々に壊れたのは、 夏休みも終わりに近づいた、ある日のことだった−−−。 ****** 前へ |次へ |
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