《MUMEI》
空気読め!
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「宇佐美さん?」


どうしたの?と、心配する声が、すぐ傍から聞こえて、わたしはハッと我に返った。

弾かれたように顔をあげると、

そこに、仲元くんの顔があった。

彼は不思議そうに首を傾げて、わたしの目を覗き込む。


「ぼーっとして、なんかあった?」


続けて尋ねられた言葉に、わたしは慌ててほほ笑み、首を横に振る。


「なんもないよ、大丈夫!」


早口に答えてから、わたしはどうしても気になり、武田先輩の方へ、チラリと視線を流した。


先輩は、わたしの姿に気づいていないのか、仲間たちとなにやら楽しげに笑い合っている。


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