《MUMEI》

「ビーッ!!!」



結局、


試合は市立工業の圧勝で終わった。


前半で大差をつけた市立工業は、


後半からは1年生と思われる控えの選手を使い、


それでもなお点差を離し勝利した。



「あ〜いう試合展開が理想なんだよね。」



クロが呟く。


ドキッとした選手たちはクロと顔を合わせないよう視線をそらした。



「お前らも明日はあ〜いう感じでよろしく。」



「は〜い。」



高総体初日も終盤。


既に女子は初日の日程を終えていた。


つまり、


次の試合はAコート、
Bコートともに男子の試合である。


クロたちは移動を始め、


Bコートが見える位置へと向かった。













「そういや結局来なかったな。」



「意地張ってるだけだよ。」



「お前あいつには甘いな…」












Bコートでは、


第二シード。


秀皇大附属高校の試合が始まろうとしていた。

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