《MUMEI》 … 「義人。」 「あん?」 「どっちが多く点取るか賭けよ〜ぜ。」 「俺に500円。」 「え〜? お前ギャンブラーだな。」 「大地になんか賭けらんないし。」 「言うね〜。 俺は俺に500円。」 「どっちも俺の金じゃないすかッ!!」 「いやいや。」 「賭けに負けたのはお前だろ?」 「あれ賭けって言うんすか…?」 「正真正銘。」 「立派な賭け事。」 試合前、 入念にストレッチを行う秀皇大附属高校の選手たち。 こういった大きな大会では見られがちの、 『緊張』 の様子が彼らにはなかった。 それは赤高が見せていたような相手を舐めている態度もあったが、 彼らにはそれにプラスしての自信が大きかった。 決勝常連校秀皇大附属。 実績が赤高のそれとはまるで異なっているのだ。 「ビーッ!!」 ブザーが鳴る。 コート中央に集まる選手たち。 「お願いします!!!!!!!」 「お願いします!!!!!!!」 高総体第二回戦。 最終戦。 秀皇大附属高校対花台中央高校。 試合が始まった。 前へ |次へ |
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