《MUMEI》

試合開始とともに、


ざわつき始める会場。


そのほとんどが、


秀皇の試合に注目するものであった。













ザワ…


「椎名?」


ザワ…


「なんすか?」


ザワ…


「市原って15番の奴だよな?」


ザワ…


「そうですよ…ってあれ?」


ザワ…


「だよな?
おかしいよな?」


ザワ…


「何でポストに…」













秀皇大附属高校。


1年、市原壮介。


ナンバーワンルーキーと騒がれるこの選手を、


椎名は知っていた。


中学時代、


全中のMVPに輝いた市原は、


確かにエース45の選手だった。


しかし、


今目の前にいる市原のポジションは紛れもなくポスト。













(…コンバートしたのか?)












悩む椎名をよそに、


試合はすぐに動いた。

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