《MUMEI》
「あ、そういや頼んだの録画しといてくれたか?」
「あ〜!忘れてたあ!」
ジョキンッッッ!!
「「あ………」」
「イッ!イッテエ〜〜〜ッッッ!!!」
▽
「ごめんね?本当にごめんね?」
「……はあ〜…」
鼻の穴付近から唇の近くまで一直線に、無惨に薄皮切られた。
その傷、何度拭いても血が止まらねえ。
てか、鼻血みてえ、こりゃ〜変な顔だ。
せっかく親に貰ったイケメンなマスクが台なしだ。
「明日舞台なんだぞもう」
鏡を見ながら俺は傷にオキシドールを振りかける。
「ア〜ン!ごめんなさ〜い…」
ふと裕斗を見ると大粒の涙を流している。俺を不安げにじっと見てくる。
ああ…
ああ…
駄目だ…
「あ〜もう!こんな傷ちっともたいしたことねーやな!
どうせドーランで一緒に隠れちまうよ!泣くな裕ちゃんもう可愛いぞ、大好きだ!は〜…もう裕ちゃん裕ちゃん裕ちゃん!」
俺は堪らず裕斗を抱きしめて耳に、首筋に、鎖骨にキスして、最後に唇に吸いついた。
「ぁん、ゾクゾクするぅ」
「ゾクゾクするの?な、もっと可愛い事言って?エッチな事言って?」
泣き顔からホンワリ溶けだした裕斗の目元にキスをして、浮いた涙を吸い取る。
裕斗は目を緩く閉じたまま赤い舌を出し、ゆっくりと薄いピンクの唇を、一周舐めた。
「秀幸のおちん〇〇オシャブリしたい、ペロペロしたい。お口いっぱいにして?」
「よ、よし!
今あげるからなっ!」
カチャカチャとベルトを外しだす俺。
立ち上がり、素早く全裸になる裕斗。
もう、寄れば触ればセックスな俺達。
だって、めちゃめちゃ愛しあっているから。
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