《MUMEI》

「あ、そういや頼んだの録画しといてくれたか?」

「あ〜!忘れてたあ!」

ジョキンッッッ!!

「「あ………」」







「イッ!イッテエ〜〜〜ッッッ!!!」




「ごめんね?本当にごめんね?」


「……はあ〜…」


鼻の穴付近から唇の近くまで一直線に、無惨に薄皮切られた。

その傷、何度拭いても血が止まらねえ。
てか、鼻血みてえ、こりゃ〜変な顔だ。
せっかく親に貰ったイケメンなマスクが台なしだ。

「明日舞台なんだぞもう」

鏡を見ながら俺は傷にオキシドールを振りかける。

「ア〜ン!ごめんなさ〜い…」


ふと裕斗を見ると大粒の涙を流している。俺を不安げにじっと見てくる。


ああ…


ああ…



駄目だ…



「あ〜もう!こんな傷ちっともたいしたことねーやな!
どうせドーランで一緒に隠れちまうよ!泣くな裕ちゃんもう可愛いぞ、大好きだ!は〜…もう裕ちゃん裕ちゃん裕ちゃん!」

俺は堪らず裕斗を抱きしめて耳に、首筋に、鎖骨にキスして、最後に唇に吸いついた。

「ぁん、ゾクゾクするぅ」

「ゾクゾクするの?な、もっと可愛い事言って?エッチな事言って?」


泣き顔からホンワリ溶けだした裕斗の目元にキスをして、浮いた涙を吸い取る。

裕斗は目を緩く閉じたまま赤い舌を出し、ゆっくりと薄いピンクの唇を、一周舐めた。


「秀幸のおちん〇〇オシャブリしたい、ペロペロしたい。お口いっぱいにして?」


「よ、よし!
今あげるからなっ!」


カチャカチャとベルトを外しだす俺。


立ち上がり、素早く全裸になる裕斗。



もう、寄れば触ればセックスな俺達。







だって、めちゃめちゃ愛しあっているから。







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