《MUMEI》
勘違いと下心
.

少し考えたあと、何の気無しに、わたしは答える。


「いいよ。待ってる」


「それじゃ、中庭のベンチで待ってて。終わったら、ソッコー迎えに行くから」


「わかった」


「それじゃ、あとでね」


「うん。バイバイ」


簡単な会話をかわしたあと、仲元くんは晃と由紀に会釈して、笑顔で教室から出て行った。

仲元くんの姿が見えなくなると、すぐさま晃が、どういうこと!?と詰め寄ってくる。


「昨日、ちゃんと断るんじゃなかったの!?」


物凄い剣幕だったので、わたしはビビった。

いやー…と言葉を濁しながら、わたしは頭をかく。


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