《MUMEI》

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「そのつもりだったんだけど、タイミング逃しちゃって」


テキトーに答えると、晃は眉をつりあげた。


「さっきの態度、すっかり彼氏ヅラしてんじゃん!!カンペキ勘違いしてるよ!」


どーすんの!?と喧しくまくし立てる。

耳障りなトーンの高さに、わたしは眉をしかめた。


「大丈夫だって。仲元くんも、わたしとは『オトモダチ』としてのお付き合いっだって、割り切ってるもん」


昨日、はっきり断ることは出来なかったけれど、仲元くんはちゃんと、わたしの『オトモダチ』というポリシーは理解していた。なんの心配もないはずだ。

しかし、わたしの返事に、晃は激しく首を振る。


「割り切ってるひとが、プレゼントなんかする!?『あわよくば』っていう下心があるから、そういうことするんだよッ!!」


断定的な晃の言い分を、わたしは、まさか!と笑い飛ばす。


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