《MUMEI》

天気も良く撮影日和だ。
フォーマルと、ラフな私服っぽい服を二着選んだ。

私服といっても自分ではあまり選ばない色だ。
ビビッドなコバルトブルーが、気に入っている。

質問に答えながら私服の方の撮影をした、ノリノリで話せたけどどこまで使われるか……。
恋バナ、楽しい。
俺の性癖を吐露しかけたくらいだ。

合間の休憩に入り、お手洗いに行く。


「あ、棗さん。」

なっちゃんと国雄が対面していた。
今日は電話で次の打ち合わせばっかりで構ってくれなかったくせに、なっちゃんとは話すんだ。

……盗み聞きしてやろ。


「私のことあまり好きじゃないのに呼んだのね。」


「その感情は俺の愛故の嫉妬ですから。」

国雄となっちゃんが並ぶとファッションショーでも始まりそうだ。


「だから常に監視に置いてるのね、必死なのかしら。」

いつものなっちゃんじゃない……?


「いえいえ彼の趣向です。」

国雄が臨戦体勢だし。
趣向言うな……確かにちょっと嬉しいけど。


「束縛してるみたい、私は国雄さんを買い被り過ぎてたのかしら。光ちゃんが過剰評価してるのかしら、今のままだと体力持たないわよ。」


「……昨日、向こうが誘ってきたんです。」

二人の会話から昨夜の事を指していると気付いた。
誘ったさ、誘ったけど国雄さんが色気振り撒いてきたんだ。


「国雄さん、貴方が管理しないでどうするの。」


「……棗さんが光を気にかけるのは血が繋がっている家族だから?それともまだ光が好きだから?」

地雷だったのか、なっちゃんが国雄をひっぱたいた。

修羅場だ。


「自惚れないで。」


「貴方の愛には感服しますね、父親の癌も気付かせない静かなものだ。」

父親が癌……?

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