《MUMEI》
ファインダー越しの空
.




−−−お前には、付き合いきれない。





由紀はなぜ、あんなことを言ったのだろう。

なぜ、怒ったのか。


いくら考えてみても、答えは出てこなかった。


「…なんだっていうのよ」


放課後、中庭にあるベンチに腰掛けて、仲元くんを待ちながら、わたしはひとり、呟いた。


由紀が、あんなふうに突き放すようなことを言ったのは初めてで、

どうすればいいのか、見当もつかない。


わたしはゆっくり視線を巡らせる。


座っているベンチには、わたしの通学用バッグと、

仲元くんから貰った、紙袋が素っ気なく置いてあった。


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