《MUMEI》 分かち合いたい《だれか》. ………だれでもいい。 お願いだから、 傍にいて。 わたしを、 ひとりにしないで−−−。 空に向かって、そんなことを祈った。 ………もしかしたら、 その想いが、 届いたのかも、しれなかった。 背後で、 カタン…と、微かに、軽い物音がした。 不思議に思い、顔から腕をどけようと動かす。 それとほぼ同時に、 微かに開けたわたしの視界に、ぼんやりと、淡い影がさす。 わたしの腕が、《だれか》につかまれる。 《だれか》は、わたしの顔から、ゆっくり腕をどけていく。 抵抗は、しなかった。 その必要はないと、思った。 . 前へ |次へ |
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