《MUMEI》 . −−−真っ先に、わたしの視界に飛び込んできたのは、 淡い、セルリアンブルーと、 白く薄い雲と………。 「…泣いてんの?」 わたしの腕をつかみ、 不思議そうに首を傾けながら、 上から、わたしを覗き込む、 廉のキレイな顔、だった。 ****** 廉は、わたしの赤くなった瞳を見つめ、訝しそうな顔をした。 腕をつかんで顔を近づけたまま、どーした?と尋ねてくる。 「こんなところで、なにしてんの?」 わたしはゆるりと瞬き、 そのままの距離感で、半眼になって彼を睨んだ。 「…それはこっちの台詞です」 いい加減離してよ、と言い、わたしは廉の腕を振り払う。 . 前へ |次へ |
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