《MUMEI》 満足させる言葉. わたしは、唇を動かした。 「日曜日のライブ、見た」 唐突に言ったので、廉は面食らったように、ビックリした顔をした。マジで?、と上ずった声で言う。 その様子が、なんだかおかしくて、わたしは、マジだよ、と答えながら、彼から目を逸らして微かに笑う。 廉はわたしのほほ笑みを見て、フッと笑い、 それで?と、先を促した。 「どうだった?」 廉の、ワクワクするような声を聞き、 わたしは、ふと、笑うのをやめた。 そのまま俯いて、自分の膝元を見つめる。 そこには、あの、白いトイカメラが、 寂しそうに、置いてあった。 . 前へ |次へ |
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