《MUMEI》

マロージャーの家が明かりが点いてなくて寂しかった。
奥さんはまだ帰ってきていないのか。


「きいさん、聞いていい?」

マロージャーを説得してもらった時のことを思い出した。


『どっした七っち。』


「いや、きいさんがマロージャーになんて言ってたのかなと。」


『ああ、気になった?
マロが二郎のファン過ぎて夫婦仲悪くなりかけてるから、七っちとの関係を良くしてフォローに回ってもらった方が得策だって言っておいた。』


「二郎……魔性?」

離婚の危機なのか。


『マロってのめり込むと見えなくなるからさ、奥さんがかなーり二郎ちゃんを敵視してるみたい。』

めんどくさい図式が出来てるな。


「わかった、ありがと。」


『いやいや、それよりまた飲みに行こう、忘年会来てよ!』

社員さん達とは仲良くなったし。
皆酒豪で楽しい。


「行きたい行きたい!」


『ダメ。』

乙矢に通話切られた。
ちくしょー……

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