《MUMEI》















「ホントだ…」













赤高の試合は、


毎試合ビデオで撮影されている。


これはクロの指示であり、


クロはそのビデオを元に練習内容を決め課題を出していた。


今日行った西条高校との試合も、


当然撮影されていたが、


クロに頼み込んだ椎名がこのビデオを持ち帰っていた。


帰宅後、


すぐにビデオを見ようとしていた椎名だが、


他の選手たちも一緒に見たいという意向があり、


2・3年の選手たちは明日の試合の準備をし、


椎名宅に集まっていた。


結果的に大差で勝った試合とはいえ、


やはりその内容に満足する者はおらず、


明日の試合の前にただただじっとしていることができなかったのだ。


自宅での休養を取った方が疲れも取れたであろうが、


選手たちは自分たちの課題を見つけることを選び、


椎名宅に泊まりがけで試合を見ていた。















「ホントに手抜いてるのが明らかだな…」



ビデオを見る椎名が思わず呟く。



「こうやって改めて見ると違うもんだな。」



「確かに…」



「うわ…
誰もカバー走ってないじゃん…」



「最悪…」



「つ〜か日高も速攻外すなよ。」



「ぐっ…」



「椎名俺腹減った。」



「…沖さん何しに来たんすか?」



「…」



「千秋。
別に出番なかったのは恥ずかしいことじゃね〜んだぞ?」



「そんな風に言われると余計凹みます…」



「ゔ…わり…」



「いや、
実際ホントにそうだよ。」



「そうそう。
皆お前の実力は認めてるし。」



「…」



「つ〜かハズいのは俺らだし。」



「え?」



「俺たちがもっと頑張ってればもっと楽に勝てたゲームだし。」



「お前が立川に付いてれば戦況も変わってたと思う。」



「うん…
結局前半の俺たちがお前の投入の機会を無くして、」



「勝手に俺たちが苦しんでたって話。」



「マッハクロスも温存させられたのにな…」



「ま、
明日はよろしくって話よ。」



「…はい。」

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