《MUMEI》
食パンマンの逃亡2
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―――…その頃。



食パン「ハァ!ハァッ!」



必死の形相で、真冬の街を着の身着のままに走り続ける、一人の男の姿があった。



食パン「このままじゃアンパンマンに殺される!東京に居ては危険だ!」



真っ青な顔をして走る男の名は、食パンマン……



数日前までジャム食品株式会社の専務職に就いていた男である。



食パン「逃げなきゃ!逃げなきゃ!どこか遠くに逃げなきゃ!!」



食パンマンは行くあてもなく、夜の街を走り続ける。



その弱った眼には一杯に涙をため、声は情けなく裏返り、醜いまでの狼狽ぶりを晒していた。

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