《MUMEI》

……………













「速攻ッ!!」



「広瀬だッ!!」



バスッ!!



「ナイッシューッ!!!!!!」













……………













ザワ…


「さすがだな。」


ザワ…


「一味違うね〜。」


ザワ…


「やっぱビデオで見んのとは全然違うな。」













……………













県営武道館。


男女共に初日を勝ち抜いた精鋭たちが、


今日この会場に集結していた。


昨日の段階で半数以上のチームが負けているものの、


会場には昨日以上の人が押し寄せていた。


休日の試合ということと、


さらに初日を勝ち進んだチームの応援が会場に足を運んでいることが原因である。


赤高の応援のバスが会場に向かう中、


既に試合は始まっており、


王者聖龍が他のチームにその貫禄を見せ付けていた。













……………













ザワ…


「おいおい…
まだ10分経ってね〜ぞ。」


ザワ…


「12対3…
都宮もよく走ってるんだけどね。」


ザワ…


「桜井の動きがキレてるなぁ…」


ザワ…


「あの野郎は俺が潰す…」


ザワ…


「え〜?
ジャイが桜井に突っ掛かるなんて意外だな。」


ザワ…


「違いますよッ!!
あんなチビに用はないっす!!」


ザワ…


「向こうもないけどね。
じゃあ誰に言ってんだよ?」


ザワ…


「あそこのモジャモジャっすよッ!!」


ザワ…


「モジャモジャ?
…あぁあの青キジくんか。」


ザワ…


「あのテンパ俺のナンパを邪魔しやがったんすよ!!」


ザワ…


「…言ってる意味がわからん。」


ザワ…


「コ・ロ・ス…」

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