《MUMEI》
運命的(?)な出会い
.




−−−ああ、


神さま。


こんなに平凡なわたしに、


こんなにすばらしい出会いを与えてくれて、


ホントに、ホントに…。





「あッ…ああありがとうごじゃいます!!」





………つい。


ついつい、つい、声が裏返ってしまった。しかも、どもった上、大事なところで噛んでしまった。


わたしは真っ赤に顔を染めながら、目の前の男の子から、レポート用紙を受け取る。

緊張とか、恥ずかしさとか、興奮とか、とにかくいろんなモノで頭の中がぐちゃぐちゃになって、まともに彼の顔が見られない。


男の子は、なんでもないような涼しい声で、どういたしまして、と答えると、

クルッとわたしに背を向けて、スタスタと立ち去っていく。


わたしは、その背中をいつまでも、いつまでも、見つめていた。


.

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