《MUMEI》 . 一色 眞夜【イッシキ マヤ】、 16歳、花の高校1年生。 遅刻寸前の登校途中に、 思いがけない、恋の予感☆ ****** 愛しの『彼』と出会ったのは、 ほんの数分まえのこと。 遅刻ギリギリで家を飛び出したわたしは、 全速力で駅前の大通りを駆け抜けていた。 片手には通学用のカバン。 もう片っぽの手には、 なぜか、数枚のレポート用紙を握りしめていた。 そのレポートは、提出期限が今日までで、 一生懸命、徹夜して仕上げたシロモノで、 自他ともに認める、おっちょこちょいなわたしは、その大事な大事なレポート用紙を、すっかりカバンに入れるのを忘れて家を出てしまい、 学校に向かう途中、それに気づいたわたしは、急いで引き返して、机の上に出しっぱだったレポートをつかむと、再び慌ただしく家を出たのだった。 . 前へ |次へ |
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