《MUMEI》 . 必死に大通りを走りながら、わたしは、も゙〜〜!!と、癇癪を起こす。 「ツイてない!!サイアクッ!」 毒づきつつも、ひたすら走る。本気で遅刻しそうだったから。 慌てすぎて、周りに気を配る余裕もなかった。 −−−だからこそ、 『彼』に、出会えたのだ。 大通り沿いにある、一番手前の角を曲がれば、学校は目と鼻の先だ。スパートをかければ、遅刻はまぬがれる。 猛スピードで通りを抜けると、そのままの勢いで、わたしは角を曲がった。 すると。 −−−ドンッ! 「ギャッ!!」 出会い頭に《なにか》とぶつかって、短い悲鳴をあげる。 小柄なわたしは、その、《なにか》に弾かれてしまい、地面に尻餅をつく。思い切り腰を打った。 途端に、わたしが持っていたレポート用紙が、ヒラヒラと空に舞い上がる。 . 前へ |次へ |
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