《MUMEI》

.


………ああッ!!

わたしの血と涙と汗の結晶がッ!!



儚く舞い落ちるそのレポートを呆然と見上げながら、

その向こうに垣間見えた、人影に視線がくぎづけになった。



−−−キレイな顔をした、男の子だった。



背はそんなに高くないけれど、男の子特有の伸びやかな身体つき。華奢で細い顎のライン。黒い髪の毛はとても柔らかそうで繊細な感じがした。

黒いヘンリーネックのシャツからのぞく、白いTシャツ。濃紺のデニムを履き、足元は白のスニーカーというシンプルでラフなスタイル。


それは、今までわたしが出会ったことがないような、

洗練された大人っぽい雰囲気の男の子。


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