《MUMEI》

.




「いいこと、ありそう…」





空に向かって、ぽつんと呟いたとき、



−−−キーン、コーン、カーン、コーン…。



学校の方から、聞き慣れた鐘の音が、無情にも鳴り響いてきた。


途端、


サッと血の気がひく。

運命的な、例の『彼』との出会いのせいで、遅刻しそうだったことを、すっかり忘れていた。



………前言撤回ッ!!

やっぱりツイてない!!



「サイテーッ!!」



幸福の余韻にひたる間もなく、

『彼』から受け取ったレポート用紙を握りしめ、

わたしは血相を変えて、ダッシュで学校へ向かった。





******

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫