《MUMEI》

で、俺がマロージャーの家にそれとなく偵察しに来た訳である。

マロージャーには二歳になったばかりの音瑠(ネル)君という男の子がいる……
外人か?
まだまだ幼いのでマロージャーの逞しさは無く、すよすよ眠っている。


マロージャーの家はそれなりに立派なマンションだ。
内装は小さい子供の居る家っぽい。


「パパのお友達ですか?」

髪を二つに結った少女が出て来た。


「あ、はい。お邪魔してます。」


「ゆっくりしてね。パパ、私これからお買い物してくるから。」


「ああ、気をつけてな。携帯電話持って行けよ。」


「うん。持った、いってきまーす。」

白いダッフルコートを着込んで元気に手を振って出ていった。


「えーと、可愛いね……今の娘さん?」

いや、実は心当たりがあるのだが聞いておく。


「今のが妻だ……」

嗚呼、やっぱりか。


「あれだ、ロリコンだ?」

下手したら中学生に見えるぞ。


「音姫(トキ)はこれでも二十歳だ!」

そんな必死に弁解するマロージャーが三十路代で奥さん二十歳……、どっちにしても息子は十代の時に生まれたんだろ?


「いや、ロリコンだ……」


「君もだろ!」


「俺は違う、じろーが不老なだけだ!」

見た目が高校生なのは高校から二郎の時間軸が停止しているからだ。
同い年でちょうどその時に惚れたんだから別にやましいことはない!


「ふ……」

叫んでたら音瑠君が起きそうになったので二人で口を噤む。


「さっきは、ごきげんじゃん?」


「棄てたからね。」

マロージャーが窶れてるように見えた。


「棄てた?」


「ディスク関連。」

指されたゴミ袋の中を探ると大量のディスクが……。


「エロいの?」

すげー枚数……。


「木下君だよ。」


「二郎のエロいのを知っているのは俺だけでいい!」

溜息をついて割れてない一枚を見せてくれた。

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