《MUMEI》

「お願いしますッ!!」
「お願いしますッ!!」



両チームスタメンがコートに残り、


コイントスで先攻後攻を決めていた。



























ザワ…


(久志…ベンチか…)


ザワ…


「今年の北農はどうなんだ?」


ザワ…


「え?」


ザワ…


「市内リーグで対戦したんだろ?」


ザワ…


「あぁ…


いいチームだよ。


バランス取れてるし、


結構粒揃い。」


ザワ…


「でも…海南か…」


ザワ…


「…そりゃあね。」



























試合を観戦するクロたち。


赤高はこの試合の次の試合が出番となっている為、


テーピングを巻きながら試合を見ていた。


隣のコートでは女子の試合が行われていたが、


やはり会場は男子の試合に注目していた。


2日目ということもあってか、


赤高以外の高校も全校応援に来ており、


会場中の熱気がさらに熱くなっていた。


学校用に用意された応援席は既に埋まり、


赤高の生徒たちは会場内に入れずバスで待機。


が、


それも珍しい光景ではなく、


他校の応援も同様であった。


休日、


ということから、


選手たちの家族、


友人なども多数訪れている会場は、


既に超満員。


前日とは比にならないほどの観客数であった。



























ザワ…


「選手で良かった。」


ザワ…


「あそこのおばさん選手退けて座ってる…」


ザワ…


「え〜...
気遣ってほしいわ…」

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