《MUMEI》 . また子供扱いされたことを不服に思って、わたしは亜由美をじっと睨みながらむくれた。 そのとき、 亜由美の携帯が鳴る。 だれかから、電話がかかってきたようだ。 彼女はわたしに一言断り、その電話に出た。 「もしもし?…うん、今、学校終わったー」 そんな感じでテキトーな会話をしたあと、じゃあ後でね、と呟き、彼女は電話を切る。 わたしが、だれから?と尋ねると、亜由美は当然のように、カレシ、と答える。 「これから会う約束してるんだよね。今日、一緒に帰れないの」 つづけて、ごめんね眞夜☆と、かわいく言って、カバンから鏡と化粧ポーチを取り出し、わたしを差し置いて、メイクのチェックをする。 . 前へ |次へ |
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