《MUMEI》

.

また子供扱いされたことを不服に思って、わたしは亜由美をじっと睨みながらむくれた。


そのとき、

亜由美の携帯が鳴る。

だれかから、電話がかかってきたようだ。


彼女はわたしに一言断り、その電話に出た。


「もしもし?…うん、今、学校終わったー」


そんな感じでテキトーな会話をしたあと、じゃあ後でね、と呟き、彼女は電話を切る。

わたしが、だれから?と尋ねると、亜由美は当然のように、カレシ、と答える。


「これから会う約束してるんだよね。今日、一緒に帰れないの」


つづけて、ごめんね眞夜☆と、かわいく言って、カバンから鏡と化粧ポーチを取り出し、わたしを差し置いて、メイクのチェックをする。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫