《MUMEI》

「ビーッ!!」



ハーフタイム終了のブザーが鳴る。



「ありがとうございましたッ!!」
「ありがとうございましたッ!!」



アップを終える両チーム。



「さっ…て…」



千葉が腰を上げる。



「千葉ッ!!」



名前を呼ばれ振り返る千葉。



グッ!!
(ヒッチハイクの時の指。)



「頑張れよ。」



コートから去ろうとするクロがそう言った。


そして赤高の選手たちも後ろで グッ!! である。



「クロさん…」



呟く千葉。



ちょいちょい。



クロは観客席を見るよう千葉を促す。



「えっ…」



上を見る千葉。



グッ!!



「恭介さん…」



そこにはクロたちと同じようなポーズを取る恭介がいた。



グッ!!



千葉も同じポーズを取る。



「勝って来ますね先輩ッ!!」



そう恭介に言った千葉の表情は自信で満ち溢れていた。



(負けんなよ…)



「ピッ!!」



審判が笛を吹く。



「んじゃ…
さくっと行って来るか…」



両チームの選手たちがコートに向かった。

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