《MUMEI》

ザワ…


「今の…」


ザワ…


「不自然だったな。」


ザワ…


「普段の千葉なら迷わず打ったはずなのに。」


ザワ…


「狙ってるんだね。」


ザワ…


「スカイか…」


ザワ…


「ツープレイ連続で狙ったな。」


ザワ…


「今のはワンクッション置くべきだったんじゃないすか?」


ザワ…


「い〜や。甘いね峰田。」


ザワ…


「えっ…」


ザワ…


「そりゃサイドのスカイはリスクが高いよ。


なんせチームの足が戻れない状況でのシュートだもん。


45、ポストのスカイとは訳が違う。」


ザワ…


「じゃあ何で…」


ザワ…


「あいつらが欲しいのは得点じゃない。


流れだ。


サイドのスカイはリスクは高いけど決めればでかい。」


ザワ…


「あっ…」


ザワ…


「今それを掴むことができるのは未來だけだ。」


ザワ…


「だけど…」


ザワ…


「そう。


今ので完全にバレちゃったからね。


スカイを決めるには難しい状況になってきた。」


ザワ…


「じゃあもうスカイはないんじゃ…」


ザワ…


「いや…
僕ならそれでも狙う。」


ザワ…



























2点リードしているとはいえ、


海南には厳しい状況となってきた。


狙いのスカイは見破られ、


それまで死んでいた北農の応援陣が息を吹き返した。


会場全体に嫌なムードが漂っていた。

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