《MUMEI》 「ビーッ!!」 オフィシャルのブザーが鳴る。 「タイムアウト。海南高校。」 「ピッピーッ!!」 時計が止まる。 後半2分50秒を過ぎたところであった。 … ザワ… 「早いな。」 ザワ… 「大事な場面だからね。」 ザワ… … 海南ベンチ。 「すいません…」 第一声。 謝ったのは千葉だった。 「焦ったな。 お前もまだまだってことだ。」 海南監督がそう言う。 「すいません…」 千葉はただ謝ることしかできなかった。 「…今のでバレただろうな。」 海南監督が呟く。 当然、 スカイ狙いがバレたという意味であり、 それは的中していた。 「が…引く気はない。」 「えっ…」 ザワ… 選手たちには意外な言葉だった。 「いいか? バレたならやり方を変えればいい。 それだけだ。」 「…」 「ただ… これは博打だぞ?」 「…やります。」 「俺も。」 「俺もだッ!!」 満場一致である。 「よし…いいか…?」 前へ |次へ |
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