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《MUMEI》 キュキュｯ!! 1対1を仕掛けた右サイドから右45にパスが回る。 キュキュｯ!! そして右45から、 センター古賀へ。 ゴクｯ… 海南の選手たちに緊張が走る。 ｢行きますよｯ!!!!!｣ ダムｯ!! キュキュｯ!! ディフェンスに向かって走りだす古賀。 (そんな合図の出し方があるかｯ!!) 千葉の心の声である。 ｢前出ろｯ!!｣ ｢ポスト任せたｯ!!｣ ディフェンスが前に出る。 その瞬間、 ヒュｯ… ふわっ… プッシュパスのモーションからのスカイパスが出される。 ｢なっ…｣ しかし、 これは未來へのパスではない。 ポストで位置を取る千葉へのパスであった。 (ポストスカイｯ!?) (こいつかよｯ!!) 裏をかかれる北農ディフェンス。 パシｯ!! 千葉は空中でボールを取る。 … 『いいか未來？ これだけは頭に入れとけよ。』 『なんすか？』 『観客が望んでるのは…』 … スカイパスが通る。 しかし、 (何して…) 千葉はシュートを打たない。 ｢はっ…!!!!!｣ そう。 千葉はその体勢からパスを出す。 未來への… スカイパスを… … 『お前のシュートだ。』 … パシｯ!! ディフェンスは気付かなかった。 彼が跳ぶその瞬間まで… ｢行けぇぇぇぇぇｯ!!!!!!!｣ バスｯ… … 会場に一瞬の沈黙が流れる。 そして1秒後、 それは爆発する。 ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ!!!!! ｢きたぁぁぁぁぁｯ!!!!!!!｣ ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ!!!!! ｢未來ぃぃぃぃぃｯ!!!!!!!｣ ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ!!!!! ｢すげぇぇぇぇぇｯ!!!!!!!｣ 後半4分10秒。 海南。 渾身のダブルスカイが決まり、 16対13。 この試合最大の流れを手にした瞬間だった。 前へ |次へ |
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