《MUMEI》 . 「なんか、ゴメン…」 −−−帰り道、 仲元くんは、すまなそうな顔をして言った。 わたしは顔をあげて彼の顔を見ると、ゆるりと瞬く。 「なんで?」 なぜ、謝られたのかわからず、尋ね返すと、仲元くんは言葉を探すようにゆっくり答える。 「ミーティング、遅くなっちゃってさ。早く迎えに行っていれば、アイツに絡まれなかったのに」 そこまで言ってまた、ゴメン、と謝る。 わたしは淡く笑って、気にしないでよ、と軽い調子で答えた。 「仲元くんには関係ナイことなんだからさ」 これは、わたしと廉の問題で、 仲元くんがどーこー口を挟む余地のないこと。 . 前へ |次へ |
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