《MUMEI》 . 一通り絵麻をながめて、わたしは、あー、と曖昧に唸った。 「(どーでも)いいんじゃない?」 本心を悟られないよう注意して答えた。しかし絵麻は、そんなわたしの言葉のニュアンスを敏感に察知して、むくれる。 「…今、テキトーに答えたでしょ?」 指摘されてドキッとした。 にこやかにほほ笑みながら、まさかぁ!と慌てて明るく言う。 「そんなことない、ない!!似合ってる!!ありえないくらい似合ってるよ、マジで!!」 テキトーに褒めちぎると、絵麻はすっかり呆れて、もういいよ、とため息混じりに吐き捨てる。 「お姉ちゃんに聞いたわたしがバカだった。お母さんに見てもらうもん」 それから、お母さぁん!!と声をあげ、絵麻はリビングから出て行った。 . 前へ |次へ |
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